庭園の管理

日記です

奇妙な

改札を出たところにある四角い柱のそばで話している二人の男


青年「じゃあ300万円はどうですか?


おじさん「そんな300万円なんて…もう少しなんとかなりませんか…?」


青年「100万円は?」


おじさん「100万円…すみません…もう少し…」


青年「いくらなら大丈夫なんですか?」


おじさん「3万円ほどでしたら今すぐ…」


青年「3万円…想像してたよりは少ないですが…そういうものなんですか?」


おじさん「そうなんです。それでは…(財布から3万円を取り出し青年に渡そうとする)」


変わった服装の男「通りすがりにすみません。俺は生まれついてからずっといろんな立ち話を聞いてきた。悪い立ち話といい立ち話の区別は『におい』でわかる!こいつはくせぇ!プンプンするぜぇ!おじさん!早いとこ警察に渡しちまいな!」


青年「あ、違います違います。あなた勘違いしてますよ。自分でも思ってましたもん。今これ立ち話だけ聞かれると勘違いされそうだなーって。そうしたらちょうど通りすがりにすみませんって。やっぱり!と思いました。やっぱり勘違いされた!え?スピードワゴン…?と思いました。」


おじさん「すみませんが…私は明日も仕事なので…(3万円を渡そうとする)」


変わった服装の男「ちょっと待ってください!お金あげて帰っていいんですか?わかるように説明してくれよ!」


青年「あのですね、さっきこのおじさんがホームから転落したんですよ。それを僕が助けて、そしたらおじさんが『本当にありがとう、実を言うと私は人間ではなくて、神なんだ』って言いだして、うわ!おかしな人!って思ったんですけどその空気を察知しておじさんが目の前でパンを石に変えて。逆じゃない?って空気になった後、でも本当の神様なんだと思って。『助けてくれたお礼に何か願いを1つ叶えてあげよう』と言われたから色々お願いを言ったんですけどなんだかんだで却下されて1時間くらいやりとりして、結局3万円もらうことになりました。そこにあなたが現れたというわけです。」


変わった服装の男「これはすみませんでした。しかし3万円とは。ちょっといい自転車を買おうとしても、買えませんな。願いを1つ叶えると言ったにしては少ない気がします。」


おじさん改め、神様「神が願いを叶えるのにも得意不得意があるんです。3万円だって大金ですよ。すみませんが明日も早いので帰らせてもらいます…」



青年「ちょっと待ってください。神にも得意不得意があると言いましたね。あなたは何が得意なんですか?」



神様「すみませんが、そんなこともう関係ないでしょう。もう3万円で話はついたんだ。金曜日だから君たちは明日休みかもしれないが私は仕事なんだ。週休1日なんだ。始業時刻ギリギリに行くと機嫌が悪くなるタイプの上司がいるんだ。頼む、早く帰らせてくれないか。」


青年「明日も仕事って、もしも電車に轢かれていたら仕事にも行けなかったんですよ。あなたホームから落ちた時に歩きスマホしてましたよね。歩きスマホしててホームに落ちた人を助ける時の葛藤が分かりますか!得意な願いくらい教えてくれたっていいじゃないですか!」


変わった服装の男「なんかプンプンしてきたな」


神様「助けていただいたのは本当ありがとうございました。私の得意な願いは記憶に関するものです。教えましたね、帰りたいので帰ります。3万円はここに置いておきます。さようなら!(タッタッタ…)」


青年「まっ、待て!記憶に関する願いって、凄そうじゃないか!色々できそうじゃないかー!考えれば考えるほどじゃないか!待てー!」


神様「だから言わなかったのさ!もしじっくり考えるとかでドトール行くことになったりしてみろ!あぁ恐ろしい!

その3万円でいい焼肉屋でも行ってろ!じゃあなー!」


片手にワイングラスを持った男「このワインが波動を伝えてくれる…。何やら、卑怯な男が走ってきている!くらえオーバードライブ!」


神様「ぐは!」


変わった服装の男「あっ、藤井さん!」


片手にワイングラスを持った男改め、藤井「加藤さんじゃないですか!なんですかこの男、知り合いですか?オーバードライブしちゃいましたけど」


変わった服装の男改め、加藤「助かりました。この男とんでもないやつでして…(事情を説明する)」


藤井「加藤さん、今日ジョジョのコスプレイベントに行くのは中止にしませんか?我々は数奇な運命に巻き込まれてしまったらしい。この神様がまた逃げ出さないように我々がサポートしませんか?」


加藤「私もそう思ってました。しかしここじゃ目立ちすぎますね。青年の予定が大丈夫なら公園にでも移動しませんか。」


青年「大丈夫ですよ。帰って金曜ロードショーでもみようかなくらいしか考えてませんでした。この、しろたじょうじはね!」


藤井「えっ?しろたじょうじ?しろたのしろの字は…?」


青年「そう、お城の城です!小さい頃から漫画好きの友人にはジョジョと呼ばれてまして!」


藤井と加藤「うおー!ジョジョー!羨ましい!」


青年改め、ジョジョ「公園行く前にコンビニでも寄りませんか?ジョジョの話もしたいですし。もうお酒とか買おうかな」


藤井「いいですね!僕も飲もうかな。明日休みだし」


加藤「ジョジョさんが納得できる願いを考えて、それを叶えるまであんたを見張っておくからな!もう今度は逃さないぞ」


ジョジョ「あっちにファミマがあるんですよ」


神様「(今21時前だろ…。コンビニ行って色々買い込んで公園で話してたら1時間くらい平気で経つな。まあ少し遅くまでいると考えて23時に公園から帰ったとしても、そこから神の世界行きのやつ乗って、あっ、その時間だと乗り換えなしで行けるやつもう無いなまあそれで家に着くのが0時過ぎで、それから風呂入ってうわ、そういやシャンプー切れてたな、今から行くコンビニで買うかいやでもこの前4人くらいでお腹すいたなってコンビニ行った時にサバ缶買ったら笑われたな…サバ缶買って笑われるくらいだからシャンプー買ったら相当笑われそうだなまあシャンプーは家の近くのセブンで買おうあーそれだったらまた家に着くのが遅くなって風呂入ったりしてたら寝るの1時半は過ぎるなあー歩きスマホさえしなければ)